10月のある日、講演会の仕事で四国・新居浜に出張しました。
仕事を終わって市内の料理屋で一息をつきました。
お店は敷島通りにある 割烹『ろば』 です。
JR新居浜駅からタクシーで、10分位のところです。
繁華街の外れにあり、あまり目立たない落ち着いた雰囲気の店でした。
入り口は小さく、奥に細長いつくりです。
カウンタ席と畳のマス席がいくつかある、こぢんまりとしたお店です。
うすい黄色の麻布地の暖簾(のれん)をくぐると、右側に生簀(いけす)があって、“ひらめ” や “さざえ” が底にうずくまっていました。
ゆうゆうと泳いでいる魚は ”カワハギ” でしょう。
マス席がお客でいっぱいだったので、連れの一人とカウンタに座りました。
冷たく冷えたビールがごくごくと喉を通ります。ひゃあ~、旨い!
そのうちにマス席が空いたのでそちらに移りました。
席について落ち着いたところで、料理を頼むことにしました。
これは賞味する価値があると思って、「お願いします」と注文してもらった。
ほどなくして、「ふぐざく」が出てきた。
底の深い椀(わん)に、フグの薄切りと、そのほかにいろいろの物が入っている。味付けはポン酢だ。
これを箸(はし)で “ざくざく” とかき混ぜてから食べます。
ざくざくと混ぜて食べるところから「ふぐざく」と呼ばれるようだ。
フグの他にいろいろな物が入っているのだがその正体がよく分からない。
白く半透明な細長い材料がその大部分を占めており、しゃきしゃきと歯ざわりが良い。
最初はフグの皮の細切りかなと思って食べていました。
連れが「これ何だか分かりますか?」と聞くので、「フグの皮ですか?」と答えると、違うという。
よく考えると、この味は動物質ではない。
「植物ですね」というと、そうだという。
「う~ん」、と考えながらもビールを飲み箸は進む。
どこかで味わったことがある。そしてやっと味を思い出した。
タマネギをスライスして水にさらし、酢醤油をかけ、かつお節をふった、あのタマネギの味だ。「これタマネギですか?」というと「正解!」でした。
これでおおむね理解した。
この料理は、フグを安く、美味しく、たっぷりと食べる、ために工夫された料理なのだ。
タマネギの正体が見事に隠されていて、かつ、フグとの調和が図られている。
後で聞いたところでは、この「ふぐざく」は郷土料理なのだそうだ。
その後、新居浜の事務所の方々も合流して、ワイワイ、ガヤガヤと楽しく飲みかつ食べた。
みんな初対面の方々ばかりであるが、打ち解けたひとときを過ごすことができました。
10時頃になってお開きとなった。支払いは割勘(わりかん)です。
一人5千円です。
私の感覚では、これだけ美味しいものを腹いっぱい食べて、5千円は安いと思いました。
普通のビジネスホテルとちがって部屋は広くてきれいでした。
あちこちの煙突から白い煙が立ち昇っています。
正面のプラントは住友化学の工場です。
そう、ご当地は、住友財閥が繁栄する素になった、別子銅山を中心とした、住友の城下町なのです。
仕事の記憶はどんどん薄れてしまうのに、その時に食べた地元料理「ふぐざく」が鮮明に記憶に残っています。
業務出張は疲れるし、ストレスもたまります。
唯一の楽しみは地元の美味しいものを食べることでした。
この、四国・新居浜への出張もよい思い出になりました。
当時は、まだインターネットもさほど発達していないし、ブログなんて仕組みもありませんでした。
仕事を終わって市内の料理屋で一息をつきました。
お店は敷島通りにある 割烹『ろば』 です。
JR新居浜駅からタクシーで、10分位のところです。
繁華街の外れにあり、あまり目立たない落ち着いた雰囲気の店でした。
入り口は小さく、奥に細長いつくりです。
カウンタ席と畳のマス席がいくつかある、こぢんまりとしたお店です。
うすい黄色の麻布地の暖簾(のれん)をくぐると、右側に生簀(いけす)があって、“ひらめ” や “さざえ” が底にうずくまっていました。
ゆうゆうと泳いでいる魚は ”カワハギ” でしょう。
マス席がお客でいっぱいだったので、連れの一人とカウンタに座りました。
仕事の後、冷えたビール、一杯が美味しい!
ビールを頼んで、まずは喉をうるおしました。
仕事の後のこの一杯はたまりません。冷たく冷えたビールがごくごくと喉を通ります。ひゃあ~、旨い!
そのうちにマス席が空いたのでそちらに移りました。
席について落ち着いたところで、料理を頼むことにしました。
新居浜で料理「ふぐざく」を”ざくざく”と食べる、カワハギの刺身も美味しい
私はまず、カワハギの刺身を注文しました。
(カワハギの刺身) |
連れが、「”ふぐざく” って、知っている?一度食べてみたら!」とすすめてくれました。
ふぐ料理の一種らしい。これは賞味する価値があると思って、「お願いします」と注文してもらった。
ほどなくして、「ふぐざく」が出てきた。
(ふぐざく) |
これを箸(はし)で “ざくざく” とかき混ぜてから食べます。
ざくざくと混ぜて食べるところから「ふぐざく」と呼ばれるようだ。
フグの他にいろいろな物が入っているのだがその正体がよく分からない。
白く半透明な細長い材料がその大部分を占めており、しゃきしゃきと歯ざわりが良い。
最初はフグの皮の細切りかなと思って食べていました。
連れが「これ何だか分かりますか?」と聞くので、「フグの皮ですか?」と答えると、違うという。
よく考えると、この味は動物質ではない。
「植物ですね」というと、そうだという。
「う~ん」、と考えながらもビールを飲み箸は進む。
どこかで味わったことがある。そしてやっと味を思い出した。
タマネギをスライスして水にさらし、酢醤油をかけ、かつお節をふった、あのタマネギの味だ。「これタマネギですか?」というと「正解!」でした。
これでおおむね理解した。
この料理は、フグを安く、美味しく、たっぷりと食べる、ために工夫された料理なのだ。
タマネギの正体が見事に隠されていて、かつ、フグとの調和が図られている。
後で聞いたところでは、この「ふぐざく」は郷土料理なのだそうだ。
その後、新居浜の事務所の方々も合流して、ワイワイ、ガヤガヤと楽しく飲みかつ食べた。
みんな初対面の方々ばかりであるが、打ち解けたひとときを過ごすことができました。
10時頃になってお開きとなった。支払いは割勘(わりかん)です。
一人5千円です。
私の感覚では、これだけ美味しいものを腹いっぱい食べて、5千円は安いと思いました。
宿泊は、ちょっとリッチに、「リーガロイヤルホテル新居浜」に!
(参照:【公式】リーガロイヤルホテル新居浜) |
今夜の宿泊は ”リーガロイヤルホテル新居浜” でした。
もっと安いビジネスホテルにしようと思っていたのですが、連れ(コンピューターメーカーの担当部長)から、「講師の先生が安ホテルに泊まってはいけない」、といわれてしまい、ちょっと、リッチに、グレードの高い、リーガロイヤルにしました。
普通のビジネスホテルとちがって部屋は広くてきれいでした。
住友の城下町、別子銅山
翌朝、窓から海の方向を見ると、工場地帯が見えました。あちこちの煙突から白い煙が立ち昇っています。
正面のプラントは住友化学の工場です。
そう、ご当地は、住友財閥が繁栄する素になった、別子銅山を中心とした、住友の城下町なのです。
ちなみに、このホテルも住友の経営です。
ホテルの前には、住友に勤める人たちの古い木造の社宅が、ぽつぽつとまだ残っている。
かつては住友の社宅群がずらっと並んでいたそうだ。
かつての住友城下町がしのばれました。
平成9年(1997)10月22日 記
ホテルの前には、住友に勤める人たちの古い木造の社宅が、ぽつぽつとまだ残っている。
かつては住友の社宅群がずらっと並んでいたそうだ。
かつての住友城下町がしのばれました。
平成9年(1997)10月22日 記
おわりに
ずいぶん前に、仕事で新居浜を訪問しました。仕事の記憶はどんどん薄れてしまうのに、その時に食べた地元料理「ふぐざく」が鮮明に記憶に残っています。
業務出張は疲れるし、ストレスもたまります。
唯一の楽しみは地元の美味しいものを食べることでした。
この、四国・新居浜への出張もよい思い出になりました。
当時は、まだインターネットもさほど発達していないし、ブログなんて仕組みもありませんでした。
旅日記として記録していましたが、今さら読み直してみると、いまでいう、ブログですね。
コメント
コメントを投稿